ウィーン気質』(ウィーンかたぎ、ドイツ語: Wiener Blut)作品354は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツ。

シュトラウス2世の「十大ワルツ」のひとつに数えられる作品である。

楽曲解説

1873年4月20日、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の長女ギーゼラとバイエルン王子レオポルトの結婚式が執り行われた。4月22日、この婚礼を祝うためにウィーン楽友協会黄金の間で催された「宮廷オペラ舞踏会」において初演された。本来この舞踏会はウィーン宮廷歌劇場において催されるべきであったが、当時はまだ舞踏会の設備が整っていなかったためにウィーン楽友協会を会場として開かれた。この初演の時、ヨハン・シュトラウス2世は初めてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した。

シュトラウス2世はこのワルツに、皇女の婚礼とは無関係な『ウィーン気質』という曲名を与えた。翌月5月1日にはウィーン万博の開幕式が迫っており、この曲は婚礼の祝典のみならずウィーン万博の門出をも飾る結果となった。

ニューイヤーコンサート

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートへの登場は以下の通りである。

  • 1941年 - クレメンス・クラウス指揮
  • 1951年 - クレメンス・クラウス指揮
  • 1955年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
  • 1958年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
  • 1960年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
  • 1971年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
  • 1980年 - ロリン・マゼール指揮
  • 1984年 - ロリン・マゼール指揮
  • 1990年 - ズービン・メータ指揮
  • 2002年 - 小澤征爾指揮

出典

参考文献

  • 江村洋『フランツ・ヨーゼフ ハプスブルク「最後」の皇帝』東京書籍、1994年(平成6年)。ISBN 4-487-79143-X。 
  • 小宮正安『ヨハン・シュトラウス ワルツ王と落日のウィーン』中央公論新社〈中公新書〉、2000年12月10日。ISBN 4-12-101567-3。 
  • 加藤雅彦『ウィンナ・ワルツ ハプスブルク帝国の遺産』日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2003年12月20日。ISBN 4-14-001985-9。 

外部リンク

  • ワルツ『ウィーン気質』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
  • Johann Strauss (Sohn) Wiener Blut / Walzer op. 354 (1873) - ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団(WJSO)による解説文。

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